ゴタイメン
『フィクションでもノンフィクションでも…』始めますφ(..)
大きな立派な家だった。
兄さんが門の前に待っていなければ、気後れして素通りしていたかもしれない。
庭を通り、玄関へ向かうと息子は練習通り元気な挨拶をした。
和室にはすでに、兄さんのお母さんが背筋をピンと伸ばして正座をしていた。
短髪のロマンスグレーに輝く髪は、品の良さと、厳しさが出ていた。
兄さんは母親似だった。
ワタシと息子は座卓を挟んで対面に正座をし、名前を名乗ったが正面を向いてはくれなかった。
兄さんは腕組みをし、襖に寄り掛かかって立っている。
急に息子は壁に飾られた千代紙の折り紙に興味を持ったらしく、お母さんに駆け寄って肩を叩いて
ι(^0^)ノヾ
「これなんね~」をやってしまった
ワタシが言葉を発する間もなく、お母さんは大袈裟な程のため息をついて
「この辺から歩いているのは女ばかりだ。芸者崩れの、男の子を連れている女を連れてきたのは、私への嫌がらせか」
針のムシロはこんなにまでも心が痛むものだったのか。
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