ノウテンキ

『ﾌｨｸｼｮﾝでもﾉﾝﾌｨｸｼｮﾝでも…』始めますφ(..)

ﾜﾀｼは人の気配で目を覚ました。と いうよりﾀﾊﾞｺの匂いでと言った方が正しいだろう。
兄さんがﾍﾞｯﾄの側のﾊﾟｲﾌﾟ椅子に座ろうとしていた。


「何時？」

「11時前かな…あ。任務完了」

と言って手のひらを出した

「出世払いで」

と、言うと苦笑しながら当分貰えそうもないなとぼやいていた。


ﾀﾊﾞｺが吸いたかったので、下っ腹を押さえながらﾍﾞｯﾄから降りた。久しぶりに立ったので一瞬めまいをおこしてよろけたが、点滴棒に掴まった。

兄さんは止めたがﾜﾀｼが歩き始めると支えるように肩をつかんだ。

途中、看護婦さんに会ったが、ｼﾞｭｰｽを買いに行くと言って嘘をついた。

1階の喫煙所まで点滴棒と兄さんに支えられながら無言で歩いていく。


喫煙所に着くと、兄さんのｻﾝﾀｸﾛｰｽ振りを聞いた。
ｲﾍﾞﾝﾄ好きの父に、ﾜﾀｼの息子が眠るまで外に待機しているように言われたらしい。
2階の部屋で眠ったのを確認してから滑り台を1階のﾘﾋﾞﾝｸﾞで父と一緒に組み立てたとの事。

ﾜﾀｼは傷口を押さえながら笑った。痛いから笑いたくないのに、息子に対するｼﾞｼﾞﾊﾞｶな父を思い出すと可笑しい。


「兄さん。ﾀﾊﾞｺ貰っていい？」

大きく吸い込むとさすがにｸﾗｸﾗした。